『チームトポロジー』の読書会を会社で半年かけて完走した。
この本は、翻訳レビューにも参加させていただき、ちょうどScrum@Scaleでチーム作りに取り組んでいる自分の関心ともドンピシャではまった本だった。本の内容は下記のスライドを読むと一瞬ですべてを理解(した気持ちに)なれる。
この本では、「ストリームアラインドチーム」という具合にチーム組成に関する独自の用語が登場する。裏を返せば、この本に出てくる用語を上手に使うことで、チーム組成についての共通言語を手に入れることができる。つまり、自分一人で読むよりも、複数人で本の内容を理解して認識を共有することで、格段に議論が早くなるという感じだ。
そこで、社内で同じ言葉遣いを使って会話ができるように読書会を企画した。
本についての共通理解を得ることが目的なので、ディスカッションに重きを置く構成とする。また、事前に本を読んだり、資料をまとめておく、などの準備が必要となると、最初の方は良くてもだんだん後半になるにつれ面倒になってくるので、継続性を重視して事前準備は一切不要とした。
レギュレーションは以下のとおり
- 週1回 1時間
- 毎回1章ずつ進む (長い章は複数回にわける)
- 前半30分黙読タイム (当日ディスカッションする範囲をみんなでモクモク読む)
- 読みながら気になったところや感想をMiroに書く
- 後半30分ディスカッション
- Miroを眺めながら話す
- 回の様子は録画しておき、休んだ人があとからキャッチアップできるようにする
- 回の最後に簡単なふりかえりを行って改善する
当初は全13回と、最終回で既存の組織のAs-IsとTo-Beをチームトポロジーで解釈するワークショップで終了する予定だった。 結果的には全16回で終了することになった。途中ゴールデンウィークなどでお休みなどもあり、2022年1月から開始して6月に終了した。
最後のふりかりが結構効いていて、当初は黙読20分、ディスカッション40分ではじめたが、読む時間が足りないということで30分ずつに変更になったり、さまざまな改善が取り入れられながらブラッシュアップされていった。
読書会の効果はてきめんで、途中くらいから実際の業務でもチームトポロジーの用語を使って会話することが多くなった。 また、最終回のワークショップでは、参加者は完全にチームトポロジーの考え方を使いこなして議論をしながら、既存の開発組織を解釈していって盛り上がりがあった。
しかし本一冊をチームや社内で共通理解とするために、毎回半年かかるのはちょっとリードタイムが長い気がするので、もう少し短くやれないかを模索したい。