『エンジニアの知的生産術』がとても良かった

年末の「合同勉強会 in 大都会岡山 - 2018 Winter -」で、ベストスピーカー2位を受賞し、その副賞としてもらったこの本が思いの外良かったので、冬休みの読書予定を組み替えて読んだ。

ちょうど今年から学習のスタイルをちょっと変えてみようと思っていたところだったので、とても参考になった。

ここ1, 2年ほどマネージャの仕事をしていると、どうしても突発的な割り込みや細切れの仕事が多くなり、1, 2時間集中してなにかに取り組む、ということができない。そういう状況で、どう効率的にインプットとアウトプットのバランスを取っていくか、というのを悩んでいて、この本がとても参考になった。

読んでいて思ったのは、この本に書かれているいろいろな学習や情報整理のプラクティスは、けっこうそれと知らずに普段からやっていたな、というのに気づけたこと。

3章の「記憶を鍛えるには」が特に印象深かった。

記憶を鍛えるにはインプットだけではだめで、アウトプットも必要である。たとえば英単語を覚えるときには、読んで暗記するだけではなくて、小テストなどで実際にそれをアウトプットすることで記憶が鍛えられる。インプットとアウトプットの繰り返しの頻度も重要で、記憶して7日後にテストをするより、記憶してすぐに1回テストをして、その7日後にもう1度テストをしたほうが定着している。このあたりは、まさに去年自分がルービックキューブのパターンを覚える際に繰り返しやっていたことであるし、受験とか、資格試験の勉強でやっていることでもある。

この書籍は全体を通して、「普段それと意識せずにやっていること」が改めて丁寧に整理されていて、それが有効であるよ、ということが示される、という体験ができた。

4章の「効率的に読むには」もとても良い章で、本を読むというのは通読することが全てではない、というのも良かった。気になるトピックだけ丁寧に読んであとは目次とタイトルだけ目を通して、あとでそれが必要になったときに読む、とか。「雑に繰り返し読む」方法とか。このあたりも、普段の自分の本の読み方が肯定された感じでとても良かった。

細切れ時間で四苦八苦しながら学習をしている人におすすめの本だな、と思った。