チーム全員フルリモートワークになって間も無く2ヶ月になろうとしている。 この傾向そのものは今後段階的に弱まっていくだろうが、リモートワークの取り組みは以前よりも促進されていくのだろう。
元々自分のチームは新しい取り組みに前向きなチームで、いろいろなチャレンジをこれまでにもやってきたが、この2ヶ月はさらにハイペースで様々なチャレンジを行ってきた。この2ヶ月を振り返って、その取り組みを書いておこうと思う。
夕会を新しく導入
チームではこれまで、昼の休み時間明けにデイリースクラムを担う昼会をやっていたが、これに就業時間直前の30分の夕会を取り入れた。 任意参加で、雑談をするための会。毎日時間になるとSlackにチャンネルにGoogle MeetのURLが流れてくる。
オフィスワークがゼロになり、これまでオフィスに集っているメンバー同士の雑談がなくなったことを補うのが目的。 ただ、これまでにも同様の試みは何度もしているが、雑談という意味ではあまりうまくいかない。最初はみんな物珍しさもあって盛り上がるのだが、1, 2週間もすると取り立てて話題もなくなり、無言で誰かの打鍵音を聞き続ける30分間になる。当然だ。毎日決まった時間に「さぁ雑談をしなさい」と言われて毎日雑談できる人などいるわけがない。
しかしこれで別にいいと思う。夕会が終わったから今日の仕事を終えよう、という1日のメリハリになるし、いつもは静かでも日によっては雑談が盛り上がる日もある。 夕会の最後に、そこに集まったメンバーで「今日もお疲れさま」の一言があるだけでこの会は意味があると思っている。
Discordを導入
チームではSlackを使ってチャットコミュニケーションをしている。声のやりとりをしたいときはSlack Callなどを使っていたが、これをDiscordにした。 Discordは、誰がどのRoomで会話をしているかが一望できる。誰かが画面共有してペアプロをしているな、というのもチャットの外からわかるので、ちょっと覗きにいくか、という振る舞いも可能だ。 つまり、オフィスにいた頃の、あっちの方で誰かが何かをやっているから様子をみにいこう、というような行動を擬似的に再現できる。
最初は全員参加ということで始めたのだが、当然ボイスチャットに邪魔されずに集中したい、という人もいるので以下のルールとした。
- Discordへのジョインは「今なら声をかけてくれても大丈夫」という表明。なのでDiscordに接続している人には突然声をかけても良い
- ペアプロやペアオペレーションをDiscordでやると、外から興味ある人がやってきたりしてお得
ワーキングアグリーメントを導入
リモートワークはオフィスワーク以上にメンバー個人に大きな裁量が与えられる。別に仕事中に少し手を離して洗濯物を取り込んだり、夕飯の仕込みをしたって構わないわけだ。チームとしては、スプリントゴールを達成すれば途中のプロセスは別に問わないわけだが、そうはいってもチームとしての体裁を保つためには強制力を伴う取り組みは必要だ。お昼ご飯を食べた直後に食休みをしたい、と思っても、昼会の時間がくればそれには参加してもらわないと困る。ただし、昼会の開催時間がチームメンバーの多くにとって好ましくないのであれば、変更したりしても良い。
こういったルールを明文化し、チームの合意を明確にするためにワーキングアグリーメントを作った。Scrapboxに、参加必須の定例会のスケジュールやチームのレビューフローなど、これまで暗黙のルールとなっていたものを明文化する。それはスプリントのふりかえりのタイミングで毎回見直される。
リモートワークになって、チームとしてはそれを乗りこなすための様々な工夫をやっていきたい。だが、勢いよくいろいろなチャレンジを導入するのはいいが、中にはそれを好ましくないと思う人だっている。そういった賛否の声をきちんと集約し、議論の上でチームで合意するためにワーキングアグリーメントがとても大事だと思ったので導入した。
導入のきっかけは前述のDiscordだ。ぼくが独断で導入して全員参加を呼びかけたが、参加必須であることは好ましくないという意見をもらったため改めてワーキングアグリーメントとして明文化して議論の上運用ルールを調整してチームの合意とした。
こんな感じでこの2ヶ月はいろいろな試行錯誤をしながらこの状況を過ごしている。