人見知りマネージャが100回1on1をしてわかったこと

このエントリは Engineering Manager アドベントカレンダー 12日目の記事です。

昨日は newtaさんのエンジニアリングマネージャのスキル習得 でした。

先日、DevLOVE関西 Engineering Manager を語ろうというイベントで1on1についてお話しました。

基本的にはスライドを見ていただければわかると思いますが、ある観点についてもう少し掘り下げようと思います。 対象読者は「人見知りでなんとなく1on1に苦手意識を持っているマネージャ」です。まさにぼくのことなのですが。

なぜ1on1に苦手意識があるのか

1on1に意味はあるのか?

ぼくは普段の人付き合いに対しては人見知りですが、仕事のうえで必要なコミュニケーションはそれほど苦もなくこなせます。しかしどうにも1on1だけはずっと苦手意識がありました。それはなぜなのか。

ひとつは「メンバーが1on1に価値を感じているかどうか不安」というのがありました。エンジニアチームをマネージメントしていると、必然不必要なMTGなどはなるべく減らしてエンジニアが開発に専念する時間を増やしましょうという力学が働きます。なのでエンジニアを定期的に拘束して、マネージャと2人だけで話す時間というのは、この力学に反してしまうのではないか、と直感的には思ってしまうのです。

ぼく自身は、エンジニア各位と1on1を重ねることで、チームの振り返りではなかなか拾えない課題などを拾うことができており、そこに価値を感じていました。しかしエンジニア側から見た場合、彼らは価値を感じてくれているかどうか。そこにいまいち自信が持てないでいたのです。

そんなある日、1on1であるエンジニアからこんなことを言われました。

「もっと頻繁に1on1をしてほしい」

それまで、1on1の価値にいまいち自信を持ちきれていなかったこともあり、月1回程度の頻度でやっていました。期初の目標設定や、期末の評価面談もその数に入れていたため、実質1on1として機能しているのは半期に2, 3回という状態でした。これに対して、メンバーの1人が1on1の頻度に不満がある、と打ち明けてくれたのです。

曰く、日々の仕事の中で、今度1on1で相談したいということを思いついたとしても、今の頻度では埋もれてしまったり当日には忘れてしまったりする。ということでした。この話を聞き、ようやく「メンバーもぼくと話したがってくれているのか」と1on1に自信を持てるようになりました。

チーム事情やメンバー構成によって、すべてに当てはまる事例ではありませんが、ここで自信を持てるようになってから自分の1on1に臨むスタンスも良い方向に変化したという自覚があるので、マネージャ自身が価値を感じられているのであれば、1on1には価値はあると信じて臨めば良いと思うようになりました。

単純な人見知り要因

もう1つシンプルな理由がありました。単純に、自分が人見知りなので、誰かと1対1で長い時間話すのが苦手、という理由です。

とはいえ、仲の良い人となら、サシで飲みに行ったりもするわけなので、これはもう単純に自分自身がメンバーと親しみのある距離感を持てていないというだけの話です。メンバーとの信頼感や、親しみを得るのも1on1の目的のひとつですから、諦めて回数を重ねましょう。

人との親密度は、その人と過ごした時間ではなく回数に影響を受けます。同じ時間を過ごしたとしても、年に1回3時間より、毎日5分を36回やるほうが親しくなると言われています。なので、どうしても苦手な場合はいきなり30分の1on1をはじめるのではなく、朝会のあとに毎日5分立ち話をする、のを繰り返してもいいのではないかと思います。

ぼくは覚悟を決めて1on1を頻繁にやるぞ、と半期で合計100回以上実施した結果、半期前に悩んでいたのはなんだったのだろう、という程度にはメンバーとストレスなく1on1に臨めるようになりました。

あまり気負わずに、お互い気軽な気持ちで1on1に臨めば、回数を重ねるうちにさまざまな1on1そのものに対する悩みは自然と解消していくのではないかな、と思います。

明日は Mura-Mi さんです。よろしくお願いします。

builderscon tokyo 2018 にてMackerelの200週連続リリースについて登壇しました

builderscon tokyo 2018に登壇してきました。

9月21日に40歳になるので、32歳の頃にコミュニティデビューをした30代最後の1年の節目に、今年は大きなカンファレンスに登壇しまくるぞ、という活動をしていて、登壇 or 不参加の心持ちであらゆるカンファレンスに出没しています。

builderscon.io

buildersconは初参加なのですが、無事にプロポーザルを採択いただき、参加できる運びとなりました。

今年はぼくがディレクターを勤めるMackerelというプロダクトで、200週連続リリース達成という成果を出すことができました。

mackerel.io

これについての裏側を、赤裸々にお話したのが今回の登壇テーマです。

Twitterなどでの感想を拝見したり、懇親会などでも評判の良いフィードバックたくさんいただきました。どうもありがとうございます。

メインの一番大きいホールでの登壇でしたが、たくさんの人にお話を聞いていただけてとても楽しかったです。 わりと、最近は、登壇で妙に緊張してしまうことが多いのですが、今回はあまり緊張せずにリラックスしてお話もできました。

今月はデブサミ関西でも同じテーマで登壇する予定ですので、関西圏の方もぜひお話を聞きに来てください。

event.shoeisha.jp

今年に入って3回怖い思いをするとさすがに疲れてきた

自宅が大阪にあり、台風21号の直撃を受けた。

自宅マンションはゆらゆらと、まるで嵐の中の船に乗っているかのように揺れ、窓の外を見ると、今まさに向かいの建物の瓦が飛んでいる。

窓のそばにいては危ないと思い、貴重品やPCなどのすぐに持ち運べる電子機器を奥にひっこめ、洗面台の影に隠れて息を潜めていた。

数ヶ月前、大阪で大きな地震があった。自宅周辺は震度5弱。本棚にあった本が散乱し、普段自分が座っている場所は埋まっていた。揺れを感じた瞬間、とっさに玄関に逃げていなかったら、自分はあの本の山の下敷きになっていたのだ。

今年の1月。酔って繁華街を歩いていたら、車に跳ねられた。怪我はたいしたことはなかったが、1ヶ月ほど通院した。

人間はいつ何時、危険の当事者になるかわからない。いずれも、生活が大きく脅かされるほどではないが、命の危険を感じる程度に被害にあった。

これまで40年間、無事に生きてきたが、ある日突然、命は脅かされる。恐ろしい。疲れた...。

MCU を順番に観る活動 フェーズ2 (たぶんネタバレあり)

MUCを順番に全部観る活動フェーズ2。全部初見である。

フェーズ1はこちら。

daiksy.hatenablog.jp

ちなみにフェーズ2は、フェーズ1より面白かった!!

アイアンマン3

アイアンマン3部作の完結編。めちゃくちゃおもしろかった。

スーパーヒーローもPTSDになるのだなー、とか、最終的に己の技術でそれを克服するところとか。

アイアンマンスーツをとっかえひっかえしながら戦うラストバトルがとにかく最高。

マイティ・ソー/ダーク・ワールド

前作は、異世界ヒーローのくせに話のスケールちっさいな! と不満だったが、いい感じにスケールが拡がって面白かった。

前作も思ったけど、マイティ・ソーは脚本の仕掛けが上手な気がする。冒頭で「時空の境目」に投げ込んだ車のキーが戻ってこない、みたいなコメディシーンが実は伏線だった、みたいな。

浅野忠信。最初の戦いのあと、「お前はここに残れ」「ありがとう」と開始数分で切られてて、そんな切り方するなら最初からキャスティングするなよ!!! とびっくりした。

キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー

ペギーまだ生きていたんだ...。お別れできてよかったねぇ、キャップ。。。

キャプテン・アメリカシリーズは、アベンジャーズの繋ぎの話、という側面が強く、エンドロール後のシーンとか、伏線貼って終わる、という感じでもやっとした。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

デコボコチームの宇宙冒険記。こういうシチュエーションは大好物。『宇宙船サジタリウス』とか『銀河ヒッチハイクガイド』みたいな。 エンドロール後にハワード・ザ・ダックがおるやん!!!!

スター・ウォーズ最後のジェダイといい、デル・トロの扱い低すぎない??? マイティ・ソーの最後にあれほど思わせぶりに登場したのに...。

アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン

ハルクとブラック・ウィドウがいい感じになる話。リブ・タイラーはもう完全に闇に葬られたのか...。

ウルトロンが完全にトランスフォーマーにしか見えなかった。

など、文句ばかり書いてるけど、普通にめっちゃくちゃ面白かった。

アントマン

フェーズ2の最後は、アベンジャーズじゃなくてこれなのね?

アベンジャーズ以降、新しいヒーローが出てくると、「こいつがこんな大規模に戦ってる間、アベンジャーズは何してるの??」という疑問に苛まれてしまうが、アントマンは逆にスケールを小さくすることでアベンジャーズとは別の戦い、という枠に収まっていてとても良い。

どうでもいいけど、謎の怪人の侵入をキャップに報告せずに隠蔽したファルコン。それはだめなんじゃない??

フェーズ3、一気にインフィニティウォーまで観たいけど、今はまだブラックパンサーを観る手段がない!!!!

MCU を順番に観る活動 フェーズ1 (たぶんネタバレあり)

GW前半にレディプレイヤー1を観たところ、映画スイッチがONになったので、せっかく時間もあるし、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)を順番に観て、最後に劇場にアベンジャーズの新作、インフィニティ・ウォーを観に行くぞ、と突然ひらめいたのだった。

Amazonビデオに課金をして、とりあえず2日間でフェーズ1を完走したので、記録しておく。

ちなみに、MCUはアイアンマン1, 2以外全部初見である。 アメコミヒーローの実写はノーラン版バットマンが好き。

ジャスティスリーグに連なるシリーズは、「暗そう」という先入観ゆえに観ていない。

アイアンマン

これはテレビで何度か観た。トニー・スタークのキャラが最高。ブルース・ウェインもこのくらいはっちゃけたら良いのではないか。 ペッパー・ポッツが「臭い!」とか言いながら胸の装置の交換を手伝ってるシーンが好き。

中東で捕まってしまう、というあたりは、なんというか早くも時代を感じさせますなぁ。10年前の映画なんだねぇ。

インクレディブル・ハルク

緑色の巨人とか、ビジュアル的にかっこよくないし、これ、面白いのかな。これだけスキップして、アイアンマン2を観ようかな。と「MCUを全部順番に観る」という決意をはやくも2作目にして折ってくる作品。

観てみると、めっちゃいい映画だった。逃亡先の南米のシーンとか、ロケーションの美麗さもあって見ごたえがある。普通にドラマパートが面白い。 エドワード・ノートンが良すぎて、もうずっと変身とかせずに逃亡劇だけ見たい、と本末転倒な気持ちまで芽生える始末。

めちゃくちゃいい映画ながら、最後のバトルシーンはちょっと退屈で眠かった。やっぱりハルクのビジュアルはヒーローっぽくない。

アイアンマン2

これもテレビで観たことがある。相棒っぽい中佐の中の人が前作から変わっいて、途中まで「この親しげな軍人は何者なのか」と思いながら観てた。

イーロン・マスクとかOracleの偉い人がカメオ出演してて面白かった。アイアンマンは普通にかっこいい。

マイティ・ソー

ナタリー・ポートマンとかアンソニー・ホプキンスとか、突然の豪華キャスト!! しかも異世界のヒーロー!!! すごいぞ!!期待!!!!

と思いきや兄弟喧嘩 & メキシコの田舎での戦い、と話のスケールがちっちゃい!!! いちおう脚本的には、ちょっとしたどんでん返し、みたいな仕込みがあったけど、火曜サスペンス劇場ですかこれは。

コメディシーンは普通におもしろく、ソーのキャラも明るくてからっとしてて、良かった。

キャプテン・アメリカ

これは最高。キャプテン・アメリカが、米軍のマスコットとして全国を行脚するくだりがめっちゃ好き。 ハルクもそうだったけど、このシリーズ、ドラマパートが妙に面白いぞ。バンド・オブ・ブラザースの序盤をちょっと思い出した。

いっぽうでラストバトルはやっぱりちょっと退屈で眠気が。。。

しかし、ラストの切ない感じなどもとても良かった。単体作品として、自分の中で名作にランクイン。

アベンジャーズ

いよいよフェーズ1のクライマックス!!アベンジャーズ!!!大興奮間違い無し!!!!

とテンション高く鑑賞開始。途中で全然知らないおじさんが、顔見知りっぽい感じで出て来る。んん?この「知らない人が当たり前のようにキャラに絡んでくる」感じ、既視感があるぞ。アイアンマン2の相棒の軍人と同じ感じがする。

と思ったら、ハルク!!お前か!!!! エドワード・ノートンどこいった!!!!エドワード・ノートンのハルクめっちゃよかったのに!!!!! 役者と一緒にキャラまでちょっと変わってるやんけ!!!! ヒクソン・グレイシーに教わった呼吸法とか、ああいうの全部無かったことになってない??リブ・タイラーは???

アベンジャーズはめっちゃ面白かったけど、ハルクがめちゃくちゃ残念で、こんな気持になるくらいなら、あの時の直感どおり『インクレディブル・ハルク』はスキップしておけばよかった。

ちなみに、泥酔した状態で観たのでところどころ寝て、起きて巻き戻してまた観る、というのを繰り返す複雑な鑑賞の仕方をしていた。

というフェーズ1だった。ブラック・ウィドウが好き。

毎週1時間のモブプログラミング枠を運用したところ、とても良いという話

およそ一月前くらいに、同僚の id:hitode909 さんとモブプログラミングをやってみようということになった。

hitode909さんとはチームは別なのだけれど、最近週一で別チームに行ってペアプロなどをしつつ、知見の横展開や課題の発見などをやろうという試みをされていて、ではせっかくなので、と自分たちのチームに招いて軽くお試しでモブプロをやってみた。

blog.sushi.money

モブプログラミングとは、ペアプログラミングをチーム全員にまで拡大したようなもので、1つのプログラムをプロダクトオーナーも交えたチーム全員で取り組む形式である。 セミナールームにエンジニア8人ほどで集まって、大画面ディスプレイにソースコードを共有しつつ、「コードを書く人(ドライバ)」と「それ以外の人(ナビゲータ)」とで1つの課題に取り組んでいく。

実装をチーム全員で取り組むため、知見が共有できたり、設計上の課題にプロダクトオーナーがその場で決断を下したり、レビューや仕様確認といったコミュニケーション上のロスタイムが減って素早く課題を実装に落とし込むことができるとされている。

実際に自分たちでやってみたところ、やはり意思決定がとても素早くなされるので、これはいいものだぞ、という実感を得た。

そこで、チームとして定期的にモブプロをやっていきましょう、ということになり、週1回1時間の「モブプロ枠」というものを設けた。

レギュレーションは以下のような感じ

  • 毎週火曜日の夕方1時間、カレンダーにモブプロ枠を登録
  • 他のMTGなどとかぶっている場合は、そちらを優先。その枠内に体が空いているメンバーだけで集まる
  • 開発優先度はさほど考慮しない。知見共有が目的なので、チームで「最近あまり触ってる人が少ないのでは」というような機能を取り上げることが多い
  • プログラミングネタが見当たらない週は、自分の知らないドメイン知識についての相談会など、なにかしら「チーム全員で」普段やらないような議論をする(とはいえ今のところ毎回プログラミングやっている)

結果として、スプリントの振り返りでも「モブプロで○○の機能の中身について知れたのでよかった」というポジティブな感想が続出して、かなりの手応えを持っている。

巷で良いとされているものは、一度自分たちでも試してみると、その良さをちゃんと知ることができるのだなぁ、と思った。

#ScalaMatsuri にスタッフ兼スピーカーとして参加していました

ScalaMatsuriに参加していました。

スピーカーとしての参加

ScalaMatsuriとしては初の登壇でした(前身のScalaCanference時代にスポンサーセッションで登壇したことはある)。

最近は仕事がマネージメント業務にシフトしていることもあって、あまり積極的にコードを書かなくなったし、仕事でも粛々とScala製システムを運用しているものの、それほど真新しいことをやっているわけではないし、登壇したくてもネタがないな~と思っていました。

しかし、ふと、「粛々とScala製システムを運用している」という事実そのものが、実はネタになるのではないかな、と考えました。

2012年に、当時所属していた会社でモバイルゲームの開発をしており、そこでScalaのコードを書いていたのが、ぼくにとって初めて「仕事でScalaを使う」という経験でした。当時はScala導入企業も少なく、事例としては比較的レアな時代だったと思います。あれから数年経ち、今は2018年。プロダクション環境でScalaが動いている事例も、もはや珍しくは無くなってきました。そうなると今度は、「数年間Scalaシステムを運用し続ける」ということが重要になってきます。

我々はMackerelというプロダクトを3年半(ベータ期間なども入れるとおよそ4年)、Scala製システムを運用しています。その期間に起きたいろいろなことを紹介する。ただそれだけでも価値があるのではないかと考えました。

これからScalaを導入したい、最近Scalaを導入した。そういう人々が、未来に経験するかもしれない出来事を紹介する。そういうコンセプトでプロポーザルを提出したところ、採択していただきました。

ここでスライドを紹介したいのですが、英語スライドということもあってそれほど内容のあるスライドではないので、割愛します。

代わりに、なかやまさんがとても素敵なまとめを描いてくださっているのでご紹介させていただきます。

当日は非常に多くの方が来場してくださり、とてもポジティブなフィードバックをたくさんいただきました。どうもありがとうございました。

大阪で開催予定のサテライトイベントで再演の予定もありますので、ぜひまたお越しください。

connpass.com

スタッフとしての参加

毎年スタッフとしてお手伝いもしていて、今年もスタッフをやりました。たまたま出張予定と重なったので、キックオフイベントに現地して参加し、その後は自宅のある関西からリモートで度々お手伝いしていました。

少し身の回りが慌ただしかったこともあり、あまり準備段階ではお手伝いできませんでしたが、当日は受付・翻訳レシーバー係・セッションの司会などの役割をこなしていました。

遠方からのスタッフ参加も可能なので、興味のある人はぜひご参加ください。