『わかばちゃんと学ぶサーバ監視』監修の裏話

12/22(火)に発売の書籍、『わかばちゃんと学ぶサーバー監視』と、それに先駆けて本の前半部分を技術書典で頒布した『マンガでわかるサーバー監視入門』を監修させていただきました。

わかばちゃんと学ぶ サーバー監視

わかばちゃんと学ぶ サーバー監視

  • 作者:湊川あい
  • 発売日: 2020/12/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

ここでは本の宣伝をかねて、監修って何をやったの? みたいな裏話を書こうと思います。

きっかけは?

ぼくは普段Mackerelというサーバー監視SaaSの開発チームのディレクターをしています。あるとき、著者の湊川さんと出版社の編集者さんから監修のご相談をいただき、お引き受けすることになりました。扱っているプロダクトの性質上、半分仕事みたいなものなのですが、仕事自体は個人でお請けした仕事という形です。

湊川さんからいただいたお話は、当初からMackerelを中心に据えてサーバー監視を説明する本にしたい、ということでした。しかしながら、これはMackerelの宣伝本ではなく、あくまでもサーバー監視についてわかりやすく説明する本にしたいという意向をお持ちで、その点についてはぼくも大いに共感しました。なので、Mackerelを取り上げている本をMackerelのディレクターが監修するという難しい立場ではあるものの、できる限り他のツールの紹介なども含めたフラットな視点になるように心がけました。

監修ってなにをするの?

基本的に構成や執筆は著者の湊川さんが進められていました。ぼくは湊川さんが作られた構成や原稿を確認し、誤りや気になる部分があれば指摘をしたり、湊川さんから質問が寄せられた場合はそれについて調査したり回答をする、という感じでした。

実はほんのちょっとだけですが、原稿の執筆もやらせてもらっています。特にどこがぼくの担当かは明記していないので、探してみて、ここかな、という箇所が見つかったらこっそり教えて下さい。あってるかどうかお答えしますw

あと、マンガの中に一瞬だけ登場したりもします。

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執筆前の事前の打ち合わせで湊川さんにお話したエピソードをマンガにしてもらいました。そういう意味では広義の意味では漫画原作者と名乗ってもいいかもしれません(名乗りません)。

難しかったポイント

今回、監修という立場で本の制作に携わるのははじめてのことだったのですが、やってみるとけっこう難しかったです。

単に内容のファクトチェックだけであるなら、そんなに悩むことはないのですが、ファクト的には正しいが、自分だったらこうは書かないな、という箇所を指摘するべきかどうかで悩むことが多かったです。

とくにこの本はマンガがベースになっていることもあって、湊川さんの解釈や表現をできる限り尊重したいというのを常に考えていました。湊川さんから見れば自分は専門家であるので、自分が指摘してしまった箇所について、著者さんの立場としてはそこは修正しようという向きに強くベクトルが働くだろうと考えました。なので、あまり細かく指摘しすぎてしまうとせっかく著者さんが自ら勉強されて得られた解釈を損ないかねません。ですので、ファクト的に正しい場合はあまり細かいことは指摘せずに、なるべく著者さんが書かれたテイストを守ることを優先しました。マンガはそのほうが絶対に楽しいものになると思ったからです。

ただ、マンガである前に技術書でもありますので、この件を言い訳にするつもりはもちろんなく、監修した自分にも当然責任はあると思っていますので、厳しいご意見などあればぼくの方に伝えていただけたらと思います。

とはいえ、技術書典で公開いただいた前半部分はたいへん評判がよく、そのテイストは後半部分にも続いていますので、最近のサービス監視について概観を得られる充分な読み応えのある内容になっているという自負はあります。

間違いなく読んで楽しい本になっていますので、ぜひお手にとっていただけたらと思います!

わかばちゃんと学ぶ サーバー監視

わかばちゃんと学ぶ サーバー監視

  • 作者:湊川あい
  • 発売日: 2020/12/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)