そのリリース日そんなに大事ですか?

今期の目標設定を決めましょう、というときに、よく「〇〇の機能を期日どおりにリリースする」と書きたくなりがち。ぼくも以前はよく書いていた。

マネージャの仕事をそれなりの期間やっていくうちに、この考え方はまったく意味がないな、と思うようになった。

リリース日を遵守する、というのは、プロダクトのビジネス価値を生み出す要素の一つにすぎない。期初にたてた予算が、この日にリリースされることを前提に計画されている、とか、競合製品よりはやく価値を出すためにはどうしてもこの時期にリリースしたい、といった感じだろう。

なのでリリース日を目標にするのはなんの問題もない。当然そのように振る舞うべきだ。ただ、これが評価に結びつくととたんに破滅する。

リリース日遵守を基準点。遅延すると減点、前倒しで加点。こんなふうにしてしまうと最悪。

開発を進めるうちに、どうしてもリリース日に間に合いそうにない。スコープを絞って間に合わせるか、期日を後ろにずらすか、そういう判断を迫られることはよくある。というか、システム開発なんてほとんどこのパターンだ。なんの手も打たずにリリース日に間に合いませんでした、なら減点でよい。が、ステークホルダーをきちんと巻き込んで、調整の結果、スコープを絞るよりもリリース日を遅らせてでもここまでやりきったほうが、ビジネス価値は高まりますね、という判断の結果遅れたとしたらどうか。遅延したので減点? そんなわけあるか。ビジネス価値を最大化するために大活躍したので、むしろ加点すべきじゃないか。

リリース日というのはとてもわかりやすい指標なので、手っ取り早く扱ってしまいがちなのだけど、それではだめだと思う。

何月何日にリリースしないといけません。その理由はなぜなのか。それをちゃんと考えた上でリリース日は扱っていきたい。

ちなみにぼくは今現在、リリース日を守ることが最も価値を最大化する、という仕事をしている。なのでこの場合はリリース日を大事にしてOK。ようは優先順位の問題。