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だいくしー(@daiksy)のはてなブログ

daiksyの徒然的なもの 以前のブログはこっち -> http://daiksy.blogspot.jp/

嫌われない勇気

※ベストセラーになった書籍『嫌われる勇気』からタイトルをもじっただけで、その書籍とこのエントリの内容に関連はありません

このエントリは、はてなディレクターアドベントカレンダー16日目の記事です。

advent.hatenablog.com

サブディレクターという仕事

ぼくはMackerel というプロダクトの開発チームに所属しています。これまで、2年弱アプリケーションエンジニアとして仕事をしてきましたが、今年からチームのサブディレクターに就任しました。

サブディレクターということで、厳密にはディレクターではありません。チームのメインディレクションは、ディレクターのid:Songmuに権限があります。

Mackerelチームは、はてなの中でもかなりの大所帯で、エンジニア、デザイナ、セールス、マーケティングと多用な職種の人が在籍しています。ロケーションも東京と京都、愛知(自宅からのリモート勤務)と多岐に渡っているため、ディレクター1人ですべてを差配するのは難しくなってきました。そこでぼくが、サブディレクターとしてディレクターを補佐しながら、主に自分自身も勤務する京都側のメンバーの取りまとめなどをやっています。

Mackerelの開発には乱暴に分けると2つの軸があります。チーム主導で行う継続的な開発と、他社さんとの共同開発です。前者は、我々開発チームがプロダクトの現状や市場の状況・ニーズなどから優先度を決め、自発的に開発を行っていきます。後者は、例えば先日リリースしたTwilio連携などのように、他社のサービスとのコラボレーション機能の開発で、これは連携先の企業と共同して進めることになります。

タイミングによっては、このような他社との共同開発が並行で複数動くこともあり、こういった場合ディレクターのid:Songmuと、サブディレクターのぼくとで分担して開発の舵取りをしたりします。

また、Mackerelチームでは開発手法として、スクラムを採用していますが、専任のスクラムマスターがいません。かわりに、スプリント計画に対する決定権や責任はid:Songmuが持ち、振り返りや日常のスクラム的な行事の推進はぼくが勤める、というようにスクラムマスターの役割を分担していたりもします。

そういうわけで、サブディレクターという何をやってるのか字面だけではわかりにくい職ではありますが、ぼくの仕事は、

といったところになります。あとはプロダクト開発にも直接かかわっていて、一部の機能開発でコードを書くこともしています。

仕事相手に嫌われてはいけない

こういった仕事を進めるにあたって、最近重視していることがあります。それは「嫌われない」ことを意識する、というもの。

若い頃、当時勤めていた会社の上司から、「お前はもっと人に嫌われることを怖がらないようにしないといけない」ということをよく言われました。仕事は仲良しこよしのグループではないので、馴れ合う場ではない。自分の主張すべきことはきっちり主張せねばならず、「こんなことを発言したら嫌われるのではないか」「もっと他人に対していい顔をしたい」というようなことは仕事を阻害する要因となる、といったニュアンスでしょうか。異論の余地なく正しい指導だと思います。

ただ、ぼくはこの「嫌われる」という表現にずっと違和感を持っていました。もちろん仕事で他者との衝突を必要以上に恐れてはいけないし、異なる意見をぶつけあうことで新しい発想にたどり着くことがある、というのは理解できるのですが、「嫌われて」しまってはいけないのではないか。

チームビルディングを語るうえで、最近「心理的安全」という言葉をよく目にするようになりました。

これについて詳しく書かれている『チームが機能するとはどういうことか』という書籍から定義を引用します。

心理的安全」とは関連のある考えや感情について人々が気兼ねなく発言できる雰囲気をさす。

チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ

チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ

これは「心理的安全」が存在しないチームを想像するとわかりやすいです。メンバーのミスを強く叱責するようなことが続くと、そのメンバーが叱責を恐れてミスを報告しなくなってしまう。メンバーが、「このような質問をしたらチームメイトから自分が未熟で能力が低いと思われるのではないか」と心配して質問ができなくなる。これらは、「心理的安全」がチームに存在しないために起きる問題です。

心理的安全」が保証されているチームでは、自分が発言することによって、叱られたり、不利になったりすることを心配する必要がありません。ミスの要因や、業務に対する理解不足の表明は、チームの仕事を前進するための重要なインプットとして扱われます。

ぼくがかつて上司に言われた「嫌われる」という言葉の違和感は、まさにこれについての懸念です。

他人から嫌われてしまうと、周りは自分に対して率直に接してくれません。相談もされず、自分のあずかり知らぬところで物事が進んでいる、というようなよくない状況に陥ります。メンバーや、協業先企業の担当者の人たちが、常に安心して自分に報告や相談をもちかけてくれる状況が前提としてあってはじめて、自分の主張や意見をぶつけ合うことができるのだと思います。

普通に仕事をしていて、他人に対して悪意をもって接している人などいません。お互いの主張や利益に対して、前向きに一生懸命取り組んだ結果としてのすれ違いがあるだけです。そのすれ違いを解消するために、嫌われる覚悟をもって物事を進めたり、主張を退けたりするメリットなどどこにもないと思うのです。

ぼくがサブディレクターとして仕事を進めるにあたって、最近気をつけているのが、こうした心理的に安全な雰囲気作りです。

心理的安全は自分への不利益を心配する、という状況だけに限りません。新しくお付き合いがはじまった相手先企業の担当者さんと、まだお互いの人となりがわからずに気軽に接することができない、という場合も同様です。そういった場合は、可能な限りチャットツールなどを使ったり、ときには雑談を交えつつコミュニケーションをすることで、仕様についての相談や不具合の報告などをできるだけ気軽に伝え合える雰囲気づくりを作るよう心がけています。

今のところその心がけが、仕事を前進させるために有効に作用している実感を持っています。

長々とおつきあいありがとうございました。明日はCTOのid:motemenです!