若者にIT業界に希望を持ってもらいたい

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以前、アジャイルラジオというpodcast番組に出演させていただいた(バックナンバーはこちら)。この番組のパーソナリティの土屋さんのご紹介で、大阪情報コンピュータ専門学校というところで学生向けの講演をさせてもらう機会を得た。

1コマ90分。講演自体は約60分ということで、ここまで長丁場の登壇は初めてのこと。準備段階ではいろいろと苦労もあったがとても良い経験をすることができた。

IT業界の楽しさを伝えたかった

インターネットを見ると、IT業界については否定的な意見がとても目についてしまう。長時間勤務、納期に追われる、デスマーチなどなど。こういったマイナスの意見というのは、共感も得やすいし、そもそも自虐ネタというのはネタとしてもおもしろい、ということもあって、悲しいことにこういった言説の方がインターネットでは拡散しやすい。

ただ、ネガティブな意見の方が目立ってしまう、というだけで、業界をポジティブに捉え、エンジニア人生を満喫している人が多くいるのも確かだ。

かねてより人材不足が叫ばれる中、これからIT業界を目指そうという若い人には、できるかぎりポジティブな側面を見て欲しいとずっと思っていた。

今回、専門学校で講演しませんか、というお話をいただいた時に思ったのは、これこそ若い人にIT業界の楽しさを伝える絶好のチャンスだ、ということだ。結果的にいただいたアンケートを見た限りでは、ぼくの試みはそれなりにうまくいったようだ。

講演内容について

当日の講演の内容をほんのすこしご紹介しよう。

ぼくは今の会社で5社目になる。これまで、SIer、モバイルゲーム、Webサービス、といくつかの業種を経験しており、それぞれの業界の特徴などを実体験を交えつつ話した。

なるべく可能な限りそれぞれの業界の特徴を客観的に話そうと思った。基本的には、業界に対してポジティブなイメージをもってもらいたかったので、それぞれの業界の醍醐味などを伝えた。スライドを作っていてギリギリまで悩んだのだが、やはり学生たちの判断材料として重要だろうと判断し、客観性を損ねない範囲で、各業界のネガティブな部分についても少し触れることにした。

今回、専門学校の学生に対しての講演ということで、彼らに響くのはどういう話題だろうとずっと悩み続けていた。その中で、彼らに最も伝えたいこととして、「エンジニアとしての生存戦略」というトピックの中で、学歴について触れることにした。

これから彼らが就職活動をしていくなかで、企業の書類選考の段階において、学歴というのはある程度合否を左右する要因になることだろう。ただ、Githubアカウントでコードをシェアする、勉強会に顔を出して名前を覚えてもらう、blogを書く、などの情報発信を通して、所属を超えた個人としてのバリューをアピールすることができれば、紙の上の情報など取るに足らないものとして無効化することはできる。そしてIT業界というのは、そういった活動を容易に始められる世界でもあるし、それが受け入れられやすい土壌を持っている。学生だからと物怖じすることなく、積極的にどんどん外の世界に触れてほしい、ということを話した。

今回話を聞いてくれた学生が、1人でも多くコミュニティに触れ、プロのエンジニアとして巣立ってもらえたらこんなに嬉しいことはない。