去年に引き続き、今年もライジングサンロックフェスティバル(以下RSR)に行ってきた。
日中に開催されて、終電までには公演が終了する都市型のフェスと違って、郊外で夜通し開催されるタイプのフェスは、参加のハードルが少し高い。ぼくも去年に初めて行った時は、いろいろ不安も多くて経験者にヒアリングしまくって準備した。
2年連続で行くと、さすがにいろいろ知見も蓄積されて、今年はかなり快適に過ごせたので、後の世の人々のためにまとめを兼ねて、知見などを共有しておこうと思う。
ちなみに大阪在住という遠方の人間の参加についての知見で、現地の人はもう少しいろいろ楽だろうと思う。
■ 準備編1 チケットの手配
まずはチケットが無いとはじまらない。 RSRでは、以下の券種が存在する。
入場券
その名の通り、会場に入場するためのチケット。今年は8月14日、15日の開催で、2日間通し入場券と1日目・2日目のそれぞれの入場券の3種類ある。1日目の入場券はその日の23時30分まで。2日目の入場券は翌日の正午まで滞在可能。 1日目は23時からキャンパーズ専用の深夜ライブがあったりするので、ひと通りの公演を楽しみたければ通し入場券を買うしか無い。
HEAVEN’S テントサイト付入場券
メインステージとなる、SUN STAGEに近いエリアのHEAVEN’S テントサイトの利用権つきチケット。 1枚でテントサイト内の1区画を専有できる。家族や友人連れの人などは、このチケットを複数枚取る人もいる。 テントサイト内で、実際にどの区画を専有するかは、先着順で当日に指定できるので、例えば複数チケットを購入して隣り合う3区画を専有してテントを設置しつつ隣にバーベキュー用の広いエリアを確保する、といったこともできる。テントサイトチケットは、1枚につき1名分の通し入場券がついているので、たとえばテントサイト1区画を借りて、3人でそのテントを共有する、という場合は、テントサイトチケット1枚、前述の通し入場券2枚、という買い方をする。
FORESTテントサイト付入場券
メインステージから遠いエリアのテントサイト。HEAVEN'Sサイトより1区画が少し広い。 BOHEMIAN GARDENというステージが側にあって、メインステージからは最も遠いが、渋目のコアなラインナップの公演が多い。
オートキャンプ付入場券
区画内に自動車を乗り入れられる。車両のみ、とかテントのみの人は利用不可。
チケットの買い方
チケットは、先行販売が数回と、一般販売がある。一番最初の先行販売は3月のHEAVEN’S テントサイトの販売。まだ出演アーティストは完全に未発表でリスキーだが、このタイミングなら確実に手に入る。 チケットは第3希望まで指定可能で、第1, 第2希望にテントサイト内の好みの区画を指定して、第3希望で「どこでもいい」みたいな指定をするとよい。ちなみにぼくは2年連続で第3希望だった。今年はシマフクロウエリア。SUN STAGEに近くて、けっこうよい位置だった。
通し入場券や各日入場券が売り切れることはまずない。今年も普通に当日券が販売されていた。なので、事前にテントサイトを抑えておいて、ゆっくり一緒に行く友人を探す、という戦法が取れる(今年は友人確保に失敗してぼっち参加になったけど)。
■ 準備編2 会場までの交通手段の確保
チケットを無事にゲットしたら、次はどうやって北海道まで行くかを考えないといけない。 毎年8月の第2金曜日から日曜日の早朝という日程で、完全に世の中の盆休みとかぶっている。
3月の先行販売でチケットを取っていれば、まだいくぶん余裕があるが、その後の先行販売で確定した場合など、たぶん自力でこの時期の航空券やホテルの手配はたいへんだろうと思う。一昨年までの3年間ほど、茨城のロッキンジャパンに自力参加していたが、チケットが確保できる5月の段階で近隣のホテルを予約する難易度は死ぬほど高くて、土浦とか水戸とか異様に遠い場所でホテルをとる感じになっていた。
ぼくはJTBのツアーを利用した。
http://www.jtb.co.jp/ripple/rsr2015/
詳細はリンク先を参照してほしいが、ご覧のように複数のプランがある。6月中旬の申し込み直後のタイミングだと、早割で少しお値段が安くなる。ぼくは前日の札幌観光つきのプランを購入した
当日の日程
JTBから8月の頭くらいに書類が送られてくる。 書類は、往復の航空券の引換券と札幌市内のホテル宿泊券。ホテルや航空券の発着時間は自分で指定はできない。
航空券は、離陸時間の90分~60分前の間に、空港のツアーデスクで受け取る。 ぼくの場合は8:00発の航空券だったので、6:30から7:00に自宅から関西空港に到着できるように行くのは始発しか無くてリスクが高いと判断し、前日の夜から関西空港併設のホテルに宿泊した。
前日は夜に空港に着ければよいので、普通に出勤して定時後に会社の側にあった関西空港行きのリムジンバス乗り場から出発することに。
麦わら帽子被ってキャリーバック引いてるけど、通勤です(定時後空港に行く) pic.twitter.com/wOlcYwLHJF
— だいくしー@Scala忍者 (@daiksy) 2015年8月11日
ちなみにぼくの日程は以下のとおり(飛行機の発着時間はツアーの申し込み時期によって異なりそう)
- 12日。普通に出勤して定時(19時)まで仕事
- 19:13 烏丸御池発の空港行きリムジンバスに乗車
- 21:00 空港併設のホテルにチェックイン
- 13日。6:30にツアーデスクで航空券受け取り
- 8:00 関西空港発 (ANA)
- 10:00 新千歳空港着
- 電車で札幌へ移動(自費)
- 11:00 札幌着
- ホテルに荷物を預け、観光 (ホテルのチェックインは14:00以降)。寿司とかラーメンとか食べよう。
- 14日。08:30 ホテル前に来ているツアーバス乗車。旅程的には9:00発だけど、みんな早めに乗るのでバスが定員になると早めに出発する。すると入場列に早めに並べるのでお得。
- 9:40 会場着。
- 10:00開場。ライブがはじまるのは15時からなので、この間にテントを設営したりセットアップしよう。テントについては詳細は後述。
- 16日。5:00 終演。ツアーバスに乗車。飛行機まで余裕があるので、しばらく現地でのんびりしてもいいけど、早めに空港に行くとお風呂に入れる。詳細は後述。
- 10:45 新千歳発 (JAL) 。行きと同様に90分~60分前の間でツアーデスクで航空券を受け取る。
- 12:50 関西空港着
■ 準備編3 テントの手配や当日の持ち物
テントの確保
これで、現地までの往復の足は確保できた。次は、フェス期間中の宿泊を考えよう。 フェスは、2.5日間(今年だと14日から16日早朝まで)開催され、通し入場券を持っていればその間ずっと会場にいることになる。
前述のJTBのツアーには、ホテルプランがあって、14日の夜は一旦バスに乗って札幌市内のホテルに行く、という選択肢もある。とはいえ、それにしても15日の夜から16日の早朝まで滞在する必要があるし、14日の深夜もキャンパー向けの公演などあるので、テントサイトと、そこに設営するテントを確保しておきたい。
テントは、現地でレンタルできる。
SERVICE サービス - RISING SUN ROCK FESTIVAL 2015 in EZO
これを事前に申し込んでおくと、現地でテントを借りて、自分で設営するが、なんと帰りはその場に放置して帰って良い。ちゃんと畳んで返却すると、3,000円キャッシュバックがある。フェスでくたくたに疲れている身に、テントを畳まなくて良い、という最高のサービスである。
ちなみに、ぼくはうっかりしてて、レンタル開始当日の夕方にサイトに行ったら、もう4人用テントしか残っていなかった。
当日の持ち物
テントレンタルに成功すれば、当日の荷物は着替えだけで過ごせる。とはいえ、より快適にすごるためにおすすめ持ち物を共有しておこう。
防寒具
現地は夏とはいえ、夜は冷える。今年は比較的ましだったが、去年の夜は息が白くなるほど冷えた。 夜を快適に過ごすために、油断せず厚手のパーカーやトレーナーくらいはあったほうがいい。
雨具
屋外のイベントなので、雨の可能性は常にある。会場内は傘の使用は禁止なので、レインウェアや長靴などを用意しておくとよい。ただ、長靴はかさばるので、ぼくは汚れてもよい靴を一足持っていった。あと、ジップロックを持って行くと、雨天時にスマフォをそこに入れたまま操作できて便利。
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照明
会場内はいたるところに照明器具が設置されていて、基本は無くてもよいが、それでも足元が不安な場所がいくつかあるので、簡単な照明器具を持って行くとよい。スマフォのライトでもいいが、それはそれでバッテリーが不安。
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モバイルバッテリー
会場内には充電エリアがあって、そこでスマフォの充電が可能だが、混んでいる場合があったり、充電の間その場に拘束されるので、モバイルバッテリーがあったほうがいい。
ぼくは10400mAhのものを2台持っていったが、結局1台しか使わなかった。
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その他
あとは洗面具とか、日焼け止めとか持っていけばいいが、実は会場内にコンビニがブースを出していて、身の回りの小物は多少忘れ物をしてもだいたい現地で買えるので安心しよう。ぼくも去年歯ブラシを忘れて、現地のコンビニブースで購入した。
(2017年追記)
雨のライジングの知見などを得たので、追記記事書きました
■ 当日編 お風呂問題
屋外で2.5日間すごして、その間風呂に入らずに飛行機に乗るといろいろ心配である。そこで、お風呂を気にしておきたい。
RSRでは現地でいくつかのサービスがある。 まず現地に温水シャワーが設置されていて、初日の朝に予約をすることで、任意の時間に利用できる。結構混むので、自分の好きな時間には予約できないかもしれない。
あと、途中で会場からバスに乗って、近隣の温泉施設に行けるサービスもある。
http://rsr.wess.co.jp/2015/support/service/#p01
幅広い時間帯で利用でき、プランによっては途中で寿司が食べられるものもある。 事前にチケットを購入しておくとよい。
最後に、新千歳空港で風呂に入ることもできる。空港内に温泉施設があって、そこを利用できる。
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朝は7時半に受付が終了して、そこから10時まで開かないので、終演後すぐにツアーバスに乗る必要があるのと、めっちゃ混むので場合によっては入場制限的なものがあるかもしれない。あと、どうも洗い場のシャワーがベストエフォート形式らしく、16日の朝はRSR帰りの客で激混みするので、シャワーの噴射時間が異様に短い。
■当日編 観たアーティストまとめ
最後に、今回ぼくが観たアーティストをまとめつつ、終わろうと思う。
初日
KANA-BOON
オープニングアクト。北海道の地で地元のバンドを観るの、感慨がある。
期待外れにも程GIRL(from tricot)
まったくノーマークだったが、グッズ売り場を散策してたら、"(from tricot)“の文字に気づいた。tricotの変名バンドらしい。モー娘を歌い出したり、MCとかいい感じにグダグダでよかった。toricotの「おやすみ」のアコースティックアレンジが特に最高。今年はKJと被ってたので行かなかったけど、tricot名義のステージもまた観たい(京都大作戦で観た)。
MONOEYES
ツアーのチケット全滅だったので、ここで観れて本当によかった。。。
MAN WITH A MISSION
休憩しながらテントで聴いてた。
細美武士 (東北ライブハウス大作戦)
MONOEYESの細美さんの弾き語り。22時頃でほどよく酔いながら屋外という最高のシチュエーションで聴いた。とくにエルレの金星は不覚にも泣きそうになった。
FRYDAY NIGHT SESSION
キャンパーズ限定の公演。SCOOBIE DOがホストバンドになって、いろんなバンドのボーカルが1曲ずつ歌う形式。最後にシークレットゲストでつのだ☆ひろが出てきて、メリージェーンを披露。良い歌は時代や文脈を越えて良いものだ、としみじみした。
2日目
レキシ&二階堂和美
いつもどおりのレキシ。もはや音楽というよりショーである。 北海道民、どこからかリアル稲穂持参でやってきて、すげー、って思った。
聖飢魔II
デーモン閣下を生で観れることがあるとは思ってなかった。MCがとにかくゲスい下ネタで、悪魔っぷりが最高だった。
安全地帯
このバンドを観る動機はただひとつ。「なにかやらかすやってくれるのでは」という一択である。
ロッキンのステージもやりたい放題だった。
そして結果は期待通り。
ステージ演出もこのようにぶっ飛んでいたが、玉置浩二の歌唱力がそういうもろもろを完全に吹き飛ばす素晴らしさである。ある意味、この会場で最もロックンロールの精神に近い男なのではなかろうか。
いや、ほんとに聴いてて思わず涙ぐんでしまうくらいの迫力だったんですよ。
THE SKA FLAMES
休憩しようとお酒飲んでたら、側のステージから聴こえてきて、あまりに良すぎたので思わずステージまで駆け寄ってしまった。
東京スカパラダイスオーケストラ
スカ充。かなり疲れていたけど、それでも体を揺らしてしまう。
FULLARMOR
テナーのひなっちとホリエさんらによるインストバンド。眠さMAXの時間帯だったけど、めっちゃ良かった。
降谷建志
Dragon Ashはぼくが音楽が好きになるきっかけになったバンドで、KJは同い年。ということでぼくにとっては特別な公演だった。 最近のDragon AshのライブではKJはあまりMCをやらないけど、いつになく冗舌だった。
10-FEET
北海道で聞く京都弁のMCに癒やされる。大トリにふさわしいパワフルなステージだった。お約束のKJの乱入とか、とにかく最高。