4年前のことを書いてみる

4年前はちょうど、体調を崩していて、出勤はしたもののすぐに会社を早退していた。

熱でぼんやりしながら、大阪の自宅で布団の中でウトウトしていると、地面が揺れた。 すごく揺れ幅の大きな感じで、最初は熱のせいでそのように錯覚しているのだと思った。次第に揺れがはっきりしてきて、これは地震なのだと気づいた。

棚から物が落ちてくるような激しい揺れではなかったものの、いつまでたっても揺れが収まらないので、これはただごとではないと思った。どこか遠くで、巨大地震が起きたに違いない。

ぼくはやはり大阪にある実家で、高校時代に阪神大震災を経験している。棚の上にあったあらゆるものが落下して、隣で寝ていた弟の頭のすぐ横に工具箱があった。一歩間違えていたら家族を失っていたかもしれない。数時間停電し、橋脚などの設計技師をしていた父親はテレビで横倒しになる阪神高速を見て絶句していた。

あの時、いつまでも収まらない激しい揺れの中、布団を頭から被って「この世の終わりだ」と思った。4年前のときも、その揺れの長さからきっと大きな地震が遠くで起きたのだと思った。

テレビをつけると津波警報の表示とともにどこかの海際の道路が映っている。画面の端から水が押し寄せ、道路が瞬く間に沈んでいく。そこを走っていた軽トラックが流されていった。

あの日以来、ぼくはいつ何が起きても悔いのないように毎日を生きたいと思って日々を過ごしている。