『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』を読んだ。
僕は、自分の事をコミュ障だと思っている。 こう言うと多くの人が「ええ〜、そんなこと無いですよ」と言うのだが、自分ではコミュ障だと思っているのだから仕方がない。
先日、『嫌われる勇気』という本を読み、アドラー心理学の一旦に触れた。
- 作者: 岸見一郎,古賀史健
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
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これは、僕が日頃から意識している事をうまく言語化してくれている本だな、という印象で、いろんな事を端折ってあえて一言で言うと、「他人を自分の思い通りにすることはできないが、自分を変えることは自分の意思で可能である」ということだ。
『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』に書かれている、コミュニケーションについても同様で、結局コミュニケーションとは相手との関わりによって成立することである。その中で、他人の意識とか心情をコントロールすることはできないけれど、自分の振る舞いや考え方をコントロールすることは可能で、それは技術である、ということだ。
本書ではロビン・ダンパーという人類学者の興味深い説が紹介されている。 霊長類の「群れのサイズ」は、お互いの毛繕いの時間に比例するのだという。人類は、今はお互いを毛繕いなどはしないけれど、他の霊長類に類をみないほど巨大なサイズの群れを形成している。これは、人類は毛繕いにおける役割を会話というコミュニケーションに代替しているためだという。だから、女子会のガールズトークのような「中身のないくだらない会話」は、人類が巨大な群れを維持するために必要なことなのだという。
我々はしばし、コミュニケーションになんらかの利益を求めてしまう。コミュニケーションが無益で終わると、もったいないから、何かお互い得るものがないと、と思ってしまう。それはそもそも間違いなのだ。
この本を読んで、ぼくはコミュニケーションというものに対して、別に肩肘貼らずに気軽にくだらない話をしても別にいいんだなー、と少し気が楽になった。
明日から僕がやたらと無益な話題を繰り出しても、暖かく見守っていてほしい。それは、僕らが「群れ」を維持するために、重要なことなのだ。
- 作者: 吉田尚記,ヤスダスズヒト
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