IT勉強会カレンダーの思い出

IT勉強会カレンダーの定期更新が終わるらしい。

ふと振り返ると、このIT勉強会カレンダーという存在が自分の人生にとって大きな影響を与えてくれていたことに気づいた。その思い出を書いておこう。

数年前、とあるエンジニア向けサイトで読者コラムニスト募集というものがあった。思うところがあってそれに応募したところ、採用され、そこから何本かのコラムをそのサイトに投稿する。

ある時、そのサイトに投稿している読者コラムニストのオフ会がある、というので行ってみた。メンバーの何人かとはそれまでにTwitterなどで交流があり、実に楽しいオフ会だったし、そこで僕は人生初のライトニングトークにチャレンジしたりもした。

そのオフ会で、IT系のコミュニティの存在を知る。ITの様々なトピックごとに、各地で勉強会やイベントが開催され、そこでエンジニアたちの交流があるのだという。

人生初のライトニングトークがそこそこウケたこともあって、ぼくはすっかり夢中になってしまった。こんなに楽しい世界があるのなら、もっと深く飛び込んでみたい。しかし、いつ、どこで、どのような勉強会が開催されているのかさっぱりわからない。

ぼくは大阪に住んでいたのだが、当時の関西は今ほど勉強会は盛んではなかった。Twitterもはじめたばかりでフォロワーも少なく、タイムラインに流れてくるのは東京の勉強会情報ばかり。オープンソースカンファレンスなどの大きなイベントに行き、そこでブースを出しているコミュニティにフライヤーを貰って、後日顔をだす、というくらいしか、勉強会に参加する手立ては無かったのである。

そんなある時、IT勉強会カレンダーの存在を知る。見ると、やはり関西で催されている勉強会は少なかったが、ゼロでは無かった。ぼくは、IT勉強会カレンダーに掲載されている勉強会に上から順番に参加申し込みをし、あらゆる種類の勉強会に顔を出した。

そうこうしているうちに、徐々に自分の興味のある領域が絞り込まれていく。

あるとき、大阪でScalaのとある書籍についての読書会が開催され、それに参加した。あれから数年経つが、そのときのメンバーとは今でも交流があり、友人と呼ぶべき人もいる。

それからしばらくして、ぼくはScalaを使ってソーシャルゲームの開発をしている会社に転職することになり、さらにその数年後、はてなで、やはりScalaを使ってプロダクト開発をしている。

自分でも勉強会を開催するようになり、自分が企画した勉強会がカレンダーに掲載されているのをはじめて見つけた時には、まるで入試で自分の受験番号が合格者一覧に貼りだされているのを見つけた時のように嬉しかったのを鮮明に覚えている。

あの時期、あのような形でIT勉強会カレンダーがこの世に存在しなければ、ぼくはおそらく今とは大きく違った人生になっていただろうと思う。今でこそ、この厳しくも楽しいエンジニア人生を満喫しているが、あの出会いが無ければ、今こういった心境で仕事に取り組めていたかどうかわからない。

長い間の更新、本当にありがとうございました。

IT勉強会カレンダーがあったおかげで、今ぼくはここにいます。